ボルドーワインを凌駕するほどのコストパフォーマンスの高いワイン
ボルドー地方のすぐそばに位置する、南西地方のA.O.C.ベルジュラック。ボルドー地方から東へ約100kmの場所に位置しており、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、ほとんどボルドー地方と同じ品種のブドウが育てられています。ボルドー地方との唯一の違いとすれば…その認知度の違いです。
14世紀頃には銘醸地として広く知られていましたが、ボルドー地方の人々が自分たちに有利な特権を得て、ベルジュラックを含む上流域のワインをすぐに出荷出来ないように定めたことから、名声を失うことになります。当時は保管のための技術は発達しておらず、新しいワインほど最上とされていた時代でした。
「ボルドーワインには市場があるが、ベルジュラックは良い品質であっても市場は無かった。だから、高品質かつリーズナブルな価格のワインということに重点を置くことにしたんだ。」と、シャトー・デ・ゼサールでは、ボルドー地方のワインを凌駕するほどの品質と低価格で、コストパフォーマンスの高いワインを造り出しています。
化学肥料を一切使わないオーガニックなワイン造り
自社所有のブドウ畑は約60haとなり、毎年のように新たな品種を植えています。新しくマルベックやソーヴィニヨン・グリ等にも挑戦。オーガニック認証はあえて取得せず、リュット・レゾネ(減農薬)で対応しています。「認証を取得すると、ベト病が発生した場合、許可されているボルドー液(銅と硫黄)しか使用できない。ボルドー液は雨が降ると流されてしまうため、何度も撒く必要がある。しかし、銅は土の中に浸透して残留してしまう。これは人体や自然環境に影響を及ぼすため良くないと考えている。私たちは、普段からベト病対策用に、オーガニックの肥料を畑に必要な分だけ撒いている。そうすることでブドウも健康になるため、病害への耐性がついているんだ」。と生産者のキュイセ親子は語ります。