CATEGORY道灌/湖弧艪(滋賀県/太田酒造)
祖は江戸城築城の名手、太田道灌!
室町時代、太田家の先祖である太田道灌は江戸城を築城しました。多くの戦を制した武将として、また、数々の歌を残した歌人として、非凡な才能を備えていた太田道灌は、江戸城をはじめ数々の名城を築いたことから「築城名人」とも称えられています。
太田家が本格的に酒造りを開始したのは、そんな江戸城築城から約四百年後の明治初期。江戸幕府の内命を受けて草津に移住していた太田家は、当時所有していた田畑と年貢米の近江米を有効に使うために、酒屋講の権利を得て酒造りを始めました。
そうして造り始められた酒は、遠祖の名に因んで銘酒「道灌正宗」と名付けられ、現在まで大切に守り続けています。
酒名「湖弧櫓」(こころ)!
現在は、滋賀県草津市の不盡蔵、兵庫県東灘区の千代田蔵、滋賀県栗東市の栗東ワイナリーの三拠点にて、日本酒をはじめ、ワイン、ブランデー、焼酎、リキュールなど、様々な酒の製造を行っています。
「湖弧櫓」(こころ)は、琵琶湖水運の木造帆船に由来する名前の銘柄です。
ゆったりと帆で走航し、無風の時には櫓を用いて弧を描き、湖上からの風景を愛でたい。そんな思いを酒に乗せて琵琶湖は古来より交通の重要な要衝であり、固有の木造帆船は「丸子船」と呼ばれました。
千年以上続いた琵琶湖水運の歴史は、鉄道・陸運により打撃を受け1966年頃衰退しましたが、21世紀に入りこの丸子船の復元が試みられました。この丸子船の復元を記念し、酒名を「湖弧櫓」(こころ)と命名されました。