CATEGORY黒牛(和歌山/名手酒造店)
黒牛の沿革
和歌山市の南方約10㎞に位置する海南市「黒江」は、室町時代から漆器産地として栄えた職人の街です。かつて奥まった入り江で、万葉集に「黒牛潟」として詠まれた風光明媚の地で、蔵の付近には黒い牛の形をした岩が浜辺にあったと云います。その後地震による隆起と埋立により黒牛を地名の由来とする黒江の市街地が形成されます。
1866年(慶応2年)当時繁栄を極めた漆器職人達を顧客として酒造りを始めたのは、名手 源兵衛氏でした。安原村江南(現在の和歌山市東南部の農家集落)の自作農の出で、肥料商(名手屋)に奉公に出て認められ、暖簾分けを受けた由兵衛の三男、源兵衛は一旦蝋燭製造を志すも失敗、傘をさして通れないほどの細い路地裏に逼塞します。本家へ雇い戻してもらい修行の後、今の蔵のやや北方にあった江戸時代を通じて醸造していた酒蔵を本家からの借入金200両で株を買い再起を図ったのが、今度は成功したというのが沿革です。
心のこもった、親しまれる、本物の純米酒造り
出荷量の95%超が純米醸造で、純米酒に特化しています。また和歌山県内への出荷比率も60%台を維持し、地元においても純米酒中心の蔵です。 仕込み水がやや硬水であり、力強い発酵力が得られるため、味わいは幅があって柔らかく、旨みや飲み応えのある酒質の特徴があります。蔵の風土に合わせた酒づくり、蔵の個性を大事にして酒造りを行っています。
黒牛の蔵元酒会動画