CATEGORY玉川(京都府・京丹後/木下酒造)
海産物に良く合う辛口の食中酒
木下酒造は天保13年(1842年)、京丹後・久美浜の地で創業。 玉川という名前の由来は蔵のすぐ隣に川上谷川という川があり、玉砂利を敷き詰めた感の、清流であったそうです。 当時、川や湖を神聖視する習慣もあり、玉(とてもきれいな)のような川というところから、玉川と命名されました。
久美浜は海が近く漁業が盛んな土地柄のため【海産物に良く合う辛口の食中酒】として玉川のお酒は古くから地元で愛されています。
地元を中心にした小さい酒蔵でしたが、2007年イギリス人の、フィリップ・ハーパー氏が杜氏に加わったことで、他にはない個性あるお酒を生み出す名醸蔵として一躍全国に知られるようになりました。
日本酒の概念を覆す新しい酒
杜氏フィリップ・ハーパーは、奈良県の酒造メーカーで蔵人として10年働き、2001年、南部杜氏資格選考試験に合格。その後大阪の酒造メーカーを経て2007年、木下酒造へ。木下酒造の30年を超える酒造りの経験を元に、家付き酵母を使った自然仕込の山廃や、江戸時代の製法を再現したお酒「タイムマシン」など、挑戦的な酒造りで、新たなファン層を作りだしています。
2009年にはアメリカやイギリス等にも輸出を開始するなど、海外にも進出。同年2009年にはロックで飲んでも美味しいお酒として「アイスブレーカー」の製造を開始。これまでの日本酒の概念を覆す新しい商品を開発しています。
「心を込めて旨い酒を造る」という想いを大切にし、全量の精米、玄米から清酒になるまでの一貫した管理を自社で行います。
玉川の酒の特徴
1、変化が面白い玉川
玉川の酒は少し温度を変えて飲むと驚くほど違う表情を見せ、ロック、冷酒、常温から極端な熱燗や燗冷ざましまで、さまざまな温度帯で楽しんでいただけます。
2、長持ちする玉川
熟成を楽しめる酒、傷みにくい酒なので、急いで飲む必要はありません。
3、食中酒の玉川・旨みの玉川
玉川の味の軸は「旨み」ですので、単体としても楽しめます。また、幅広いお料理とのマリアージュを引き出し、料理が玉川の魅力を引き出します。
4、育つ玉川
酒の出発点である無濾過生原酒に「加水」や「火入れ」などの処理を行い、バラエティ豊かな味の方向性を持たせた上で、熟成をかけたものを通年販売しています。
蔵訪問
沢山の銘柄や熟成酒を生み出す玉川。にしむら酒店からは車で約3時間。海の幸と山の幸の宝庫、京丹後。蔵人は10月5日から4月20日までの半年間、酒造りをするために出勤できます。水は城山の軟水の湧水を使用。海に近いため、地下水は海水となっているので洗い水用に使用しています。増築した巨大な醸造所や、近年できた精米機など見学させていただきました。