Motoki蒸研株式会社に行ってきました！

ヤマレストを生み出す、Motoki蒸研株式会社まで、にしむら酒店から車でわずか15分。蒸留所まで行き、元木 ヨイチさんとケイコさんのご夫妻、息子のコタロウさんにお会いしてきました。コタロウさんは野沢温泉蒸留所で蒸留技師として働き、2024年Motoki蒸研株式会社に合流。

特徴的な蒸留器は、かつて夕張メロンのブランデーを造り出していた40年以上も前のもので、岐阜県の辰巳蒸留所から譲りうけたものだそう。 現在は銅の価格が高いため、銅の厚みの少ない蒸留器が多い中、昔ながらの厚みのある銅製の窯となっています。直火で火を当てて、窯の中で78度で沸点を迎えるアルコールを気化させ、長めの銅のパイプを通して液化し分離してく蒸留器で、銅を通すことによって雑味や硫黄をクリアにする、イオン化(化学反応)が起こります。そうしてゆっくりと丁寧に、クリアで綺麗なジンを造り出しています。

そうして液化したジンは81度近いアルコール度数から、加水して45度の製品にしていきます。温度によって大きくブレるアルコールを容量ではなく比重を図ったうえでしっかりと計算し、正確な加水量で加水することによって緻密なまでの味わいの再現性を追求。大雑把に加水して後々水分量を調整するようなクラフトジンも存在していますが、ロットによって味わいのブレが発生しないように、ヤマレストでは細やかな計算を常に行っています。自身でインダストリアルジンと名乗っているのは、工業的に大量生産したジンという意味ではなく、職人気質による日本製の工業品ということを意図しています。ブレない正確なものを造り続けたいというプロのフィロソフィーを感じました。

10種類のボタニカルで風味を構成。ボタニカルを多く入れ、風味づけするようなジンもありますが、ヤマレストには極力ボタニカルを入れすぎないようにしています。そうして、引き算で計算されたジンは、上品な風味と円やかで唯一無二の美味しさを纏います。ボタニカルは、全て同時に蒸留していきますが、数多くの実験がされており、それぞれのボタニカル単体での実験醸造によるボトルも多く置いてありました。今後は、ジンだけでなく、フレーバードスピリッツも手掛けていきたいと語ります。

醸造所の3件くらい隣にあるバー併設のショップで試飲。ストレートやトニック割、ソーダ割を楽しめます。どこか懐かしさのあるような趣あるお店にはレコードがかかっており、いい雰囲気。

カウンターの横には小上がりの席もあり、インテリアも素敵！　まずは、ストレートで。初めてこのジンを飲んだ時の衝撃は忘れられません。洗練されたレモンの香りから、ヒノキ、桜の葉などのボタニカルが次々と感じられ、こんな美味しいジンが京都で造られているなんて・・・と、感涙しました。 同じ感動をまた味わえると楽しみでしたが、ここでもまた驚き！ティスティンググラスで飲んだ時より、専用のグラスで飲んだほうが、より香りが明確に感じられます。そして、ジントニック。銀座でバーテンダーをされていた元木さんのカクテルは一段と美味しいのです。

ショップ内には、オリジナルキャラクターのボトルくんと瓶子ちゃんのグッズなどが販売されています。Ｔシャツやパーカー、バッグをはじめ、缶バッチやステッカー、専用グラスなど、どこをみてもセンスが光っていました。

京都で造り出される、世界レベルのジン。この美味しさをより多くの方に知っていただきたいです！