蔵見学 白木久(京都府・京丹後/白杉酒造)
全量食用米を使用したお酒を造る蔵として有名な、京都府京丹後市に蔵を構える[白杉酒造]に蔵見学に行ってきました。
コシヒカリやササニシキ、夢ごこち、ミルキークイーンなど、お米として食べる飯米用のお米でお酒を造り出す、白杉酒造。11代蔵元・代表取締役である白杉 悟さんにお話を聞いてきました。
酒造好適米を使用すると、京丹後以外の産地の米を使うことになる。京丹後という土地で生まれたお米でお酒を造りたいということで、2015年からは京丹後ならではの飯米を全量使用するようになりました。
お米は醸造前に農家さんと契約し、酒造りにあうような最低限の農薬しか使用しない特別栽培米をお願いしています。
肥料を多く使用してしまうとタンパク質の多いお米になり、収量は多いものの脂っぽい風味が出てきてしまいます。農薬を極力減らし、収量は少なくとも、高品質でタンパク質の少ないお米を作ることで、雑味のないお酒造りが叶うそうです。
お米を蒸らす際は、蓋から蒸気を吹き付けて上から下に蒸気を下す逆さ甑を使用。丹後では小さな酒蔵が多く、下から蒸気をあげると蒸気が逃げにくいため蓋から当てて、下から蒸気を逃がす蔵が多いそうです。蒸気の圧力をかけて蒸せるのでべたべたとしない乾いた外側でありながら、外硬内軟な良い蒸米が仕上がります。その後お米は、量が少ない際は手で放冷し、多い際は放冷機で衛生的かつ効率的に放冷します。その後、エアシューターのパイプで圧力をかけタンクへと運ばれます。
麹室はプレハブ冷蔵庫を使用し、電気プレートヒーターで内部を温めています。雑菌を付けないよう食品対応ゴム手袋を使用し、35度の温度設定にした状態からスタートし、蒸米を入れ、3日で麹を造ります。
黄麹だけでなく、白麹や黒麹など様々な麹を駆使する白杉酒造。独自のアイデアと技術を駆使し、各麴を同じ麹室で育成させることを可能としました。
白杉酒造は10年以上前から日本酒に白麹や黒麹を使用してきた、先駆者的な存在で、ブラックスワンは12年前に黒麹100%のお酒としてリリースされました。
酒母は中温速醸で1週間に1本仕込み。800Kgの仕込みタンク5本を半年で5回転させて醸造。
酵母は1801号をはじめ、6号、7号、9号、10号、14号、15号、77号、京都酵母など、多様な種類を扱っています。泡あり酵母を使用した場合、飯米は酒造好適米より泡が出やすいため、タンクの大きさに対してあまり多く仕込めませんが、それでも泡あり酵母を選択するのは、より香りやコクのあるお酒に仕上がるからだそうです。バナナ系・リンゴ系などあえて様々な酵母をブレンドすることによって、この酵母だからこんな味わいだろう、と消費者の方は想像できないような味わいを狙って風味を引き出しています。
その後ヤブタで搾り、無濾過でガスのある状態で瓶詰め。
現在、白杉酒造のお酒は甘酸っぱくて軽さのある美味しいお酒と認知されるようになり、低精米や生酛・山廃等の燗上がりするようなお酒は目指していないとのこと。銀シャリのような定番酒は仕込みタンクが多いものの、限定品は殆どがタンク1本の仕込みとなり、生産量が限られています。そのためリリース直後、蔵元完売となる商品も多くなっています。
これまでは240石程でしたが、今後は300石を目指して、人員も増やし質は落とさずに量が安定するよう計画中。他の蔵では使っていないお米や、技術力の高さを駆使して、唯一無二の日本酒を造り出しています。
蔵にある売店でも販売中。ラベルは白杉 悟さんが描かれているそうです。美大とかに通っていたのですか?と思わず聞いてしまいました;^^ 独学なんですよ、と。お酒造りだけでなく、ネーミングやラベルにもセンスが光るお酒を造り出しています。
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